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12月 2016

屠蘇散

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屠蘇散は中国三国時代の華陀(かだ)という名医(三国志で曹操の頭痛を治療していた事でも有名です)が疫病などの予防に考案したものとされています。 日本には平安時代に伝わり、江戸時代には武家や一般の上流階級にも取り入れられるようになったとのこと 。 当時の屠蘇散には、烏頭(ウズ、劇薬トリカブトの母根)や大黄(ダイオウ・下剤)などが 含まれていたとされますが、現代の屠蘇散は作用の激しい生薬は除かれ安心して飲める処方になっています。 屠蘇散の処方は書物によって違い、薬局やメーカーによってオリジナルのレシピもあるようです。一般的にはサンショウの実・キキョウの根・シナモン・ミカンの皮など身近な生薬も多数含まれ、身体を温めたり、胃腸の働きを助けたり、風邪の予防に効果のある生薬を含んでいます。 しかし、実際のところ生薬も少量な上にお屠蘇もたくさん飲むものではないのでそれぞれの生薬の効能は期待できませんが、香りがとても良くて私は大好きなので毎年楽しみにしてます。 お正月だなぁってしみじみと感じます(*^^*) 屠蘇とは「邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇(よみがえ)らせる」ところから名付けられたと言言われています。「悪鬼・疫病を治し、邪気・毒気を払うとされて、一人でこれを飲めば一家に疫なく、一家でこれを飲めば一里に疫なし、元旦にこれを飲めば一年間病気にかからない」と信じられてきました。 大晦日の夜、お酒(またはみりん)に浸しておき元日の朝、お雑煮などを頂く前に年少の者から年長の者への順に頂くのが慣わしです。 お子様やお酒が飲めない方はみりんで浸して軽く口を付ける程度でも構いません。縁起行事ですから形だけでも。 古くからの日本のお正月の風習として是非伝えていきたいですね(*^^*)

風邪の養生

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今年は早々と11月に厚労省からインフルエンザ流行開始の発表があり、11月末に私の姪っ子が通う小学校も学級閉鎖になりました。予防接種、マスク、手洗い・うがいなど予防対策はバッチリですか?? それでも風邪を引いてしまったら・・・ 先日のもものは会でも風邪の漢方薬の学習会をして市販の漢方薬の使い分けを勉強しました。 風邪の漢方といえば葛根湯!すごく有名な処方です。しかし、ただ飲むだけでは十分な効果が出せない事があります。効き目を高める飲み方と養生法をご紹介致します。 まずは飲み方。 〇〇湯という名前の漢方薬は元々煎じ薬なので湯液として服用するのがベストです。出先でお湯がない、まずくて飲めないなどなければ熱いお湯(一部除く)で溶いて飲みましょう。 タイミングも重要です。 葛根湯はうなじ〜背中のこわばりとゾクゾク寒気が始まったらすぐです! いわゆる風邪の引き始めなので何日も前から引いてる風邪には効きません。飲んだら暖かくしてすぐに休みましょう。鼻水、咳、胃腸症状など風邪の諸症状が出てきたらお薬の替え時です。その時に必要な漢方薬は人それぞれですので薬局で相談してみましょう。 葛根湯の出典であり、最古の中国医学書とも言われる『傷寒論』(急性熱性伝染病の治療法をまとめた医学書)の中で養生について書かれています。 禁生冷粘滑肉麪五辛酒酪臭悪等物 (生もの、冷たいもの、粘りのあるもの、油っこいもの、肉類、麺類、辛いもの、乳製品、臭いの強いものなどを食べたり飲んだりしてはいけない。) ということは、何を食べたらいいの? そうです!温かいお粥が一番です! 胃に負担も少ないので体力の消耗も防げるほか、体を温めて漢方の効果も高めてくれます。 体を温めて優しい発汗作用で風邪に効く、薬膳粥の紹介です。 胃腸虚弱の方でも安心な風邪の漢方、香蘇散からの応用で生姜と紫蘇を使ったお粥です。 4人分 お米   1/2合 6〜7倍の水 大葉 3枚 生姜 1/4片(チューブ生姜で代用も可能です。入れ過ぎると辛くなるので好みで調節して下さい。) 塩、コショウ 適宜 ①洗ったお米に水を加え1時間くらい浸す。 ②強火にかけ、煮立ったら弱火にして1時間程炊く。 ③生姜を加えて5分くらい煮る。 ④火を