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9月 2016

秋の養生

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秋の養生 台風続きでしたが 夏の蒸し暑さはなくなり 朝晩が涼しくなりすっかり秋らしくなってきました。 東洋医学では秋は肺と肌に関係があり乾燥するこの季節は呼吸器や肌のトラブルに注意しましょう。 秋は夏に暑さや冷たい物の取り過ぎで弱った胃腸の機能を整え、呼吸器や肌を乾燥から守るケアをしていくことで身体を健やかに保ち寒い冬を迎える準備をしていきます。 キーワードは「白」です。 五行の中で肺と関係がある色は白。 肺を補う作用をもつものが多いので、 肺や肌を潤す白い食材を取り入れるようにしましょう。 そしてもう一つは味。「辛」です。 これも肺と関係があり肺の機能を補い気の巡りを良くしてくれるので大切ですが、どちらも取り過ぎは逆効果ですので上手に取り入れていきましょう。 先日の勉強会で作った秋の薬膳チャイのレシピをレンジで簡単に作れるようにアレンジしたものをご紹介します! 秋の豆乳チャイ <材料>   紅茶 ・・・小さじ1        (ティーバッグでも可)  水 ・・・100cc  豆乳 ・・・100cc  杏仁霜 ・・・小さじ1/2  白きくらげ、クコの実、桂皮(シナモンで可)、ハチミツ 適宜お好みで 水に紅茶、桂皮を入れ電子レンジ600Wで1分間煮出します。 茶こしで濾してから他の材料を入れさらに600Wで1分温める。 (レンジによって温まり方が違うので沸騰しないように調節して下さい。) 白きくらげが柔らかくなったらハチミツで好みの甘さにして出来上がりです。 【杏仁】 肺を潤して気のめぐりを良くして咳を鎮めたり痰を除く作用。 ※杏仁霜は製菓売り場に等に置いてありますが、杏仁と甜杏仁の配分が製品によって違います。漢方でも使われる杏仁の比率が高いものの方が香りが高く肺を潤すなどの作用も高いですが、お茶に使う際は量を少なめに調節して下さい。今回は杏仁70%のものを使用してます。 【豆乳】 体力を補い肌を潤し、肺にこもった余分な熱を冷まし痰を消す作用。 【白きくらげ】 肺を潤し胃を養い、口の渇きを止める作用。 白い食材に辛の味を持つシナモンを加えて潤って温まるチャイ、皆さまも是非お試し下さい(*^^*)

メンタルヘルスと東洋医学

先日、7000人もの社員を抱える大きな企業の産業医をしていらっしゃる先生のご講演を拝聴する機会がありました。 昨年12月に厚生労働省で50人以上の事業所でストレスチェックが義務化されました。本人のストレス状況について気付きを促し個人のメンタルヘルス不調のリスク軽減と職場環境の改善につなげる取り組みとのことです。 http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/ このテストで規定以上のストレス状態との診断をされる人の割合の国の想定は10%程度(企業により差がある)。先生が産業医を務める企業でも年齢でバラつきはあるもののほぼ想定内だそうです。ストレス状態にあると判定された人で希望があれば医師の診察も受けられるということでしたが、7000人の企業で実際に受診したのは2人。驚きの結果でした。 以前、薬局に処方された薬をもらいに来た方に聞かれたことを思い出しました。 「今日、うつ病と診断され休業するよう診断書をもらいました。この薬を飲めば会社に行けますか?やっぱり休まないといけないですか?」 驚きと切ない思いになったのを覚えています。 今は車でいえばオーバーヒートしてるんです。今の状態を良くするために休んだ方がいいって先生が診断したんですよ。お薬はそのサポートでしかないので休んだ方がいいと伝えるととても困ったようでした。 自分の「こころ」と「からだ」の状態に関心を持って日々の変化に気付くこと。 できていますか? 男女問わずとても必要です。体の不調の原因をストレスと片付けるのは良くないですが、SNSをはじめ対人関係も多様化している現代ではストレスも複雑多重化しているように思います。 特に女性にとっては活躍の場が広がる反面、月経、妊娠、出産、更年期など男性と同じ条件、環境で長く働き続けるのは困難に感じる場面も少なくはありません。 女性のホルモンバランスの変化や女性特有の疾患も含めて心と身体の不調を早期に発見し対処していくことが社会にとっても重要な課題となります。 ではストレスチェックでストレス状態にあると通知が来たら、体の不調を感じたら? すぐに病院へ行って検査などをしても検査値に異常が見つからないことが多いです。 放っておく?我慢する?それでは心と体のサインを無視することになり

名前の幸せ

今日改めて自分の名前を付けてもらった幸せを感じました。 お会いした患者さんからたまたま頂いた言葉がきっかけでした。 「幸枝ってゆきえと読むんでしょ?いい名前よね!亡くなった大正生まれの母と同じ名前なの。とっても優しくて大好きだった母を思い出すわ。この名前が大好きで息子も幸を一文字もらって名前を付けたのよ。若い人では珍しい名前だけど会えてすごく嬉しい!」 そういわれて泣きそうなほど嬉しかったです。名前を付けてくれた大好きな母もこの字が好きだと言っていたっけ。幸枝の「え」は江でも絵でも恵でもなく枝という字を絶対付けたかったと言っていたのを当時は聞き流してしまいましたが、今ではちゃんと理由も聞いておけばよかったと思います。 有難いことに時折、この患者さんのように名前を褒めてくださる方がいらっしゃいます。 幸せが枝のように広がるとてもいい名前だと言われたこともありました。 さちえと読み間違えられることが多く、昭和の時代みたいで古臭いと言われたこともありましたが、私は母が考えてずっと温めて付けてくれた名前が大好きです。 名前は産まれてくる子を待ち望み、親の想いを込めてつけられることがほとんどだと思います。 勉強会でお会いした鍼灸師の先生に、先生が目指すところは?と聞かれたことがありました。他の先生方は若手の育成に力を入れる、在宅医療の現場で鍼灸師の活躍の場を広げていきたいなど具体的で建設的な意見が返ってくるなか、私は人の役に立つというなんとも幼稚で漠然とした答えをしてしまいました。 その意味は私が関わる周りの方の役に立てることが幸せで幸せの枝を広げるということです。自分はまだ未熟で小枝なので小鳥くらいしか羽を休ませることができません。いずれは大きな木になり大きな鳥もたくさんの鳥が羽を休め、木陰では皆が涼んだり雨宿りができるような枝を広げたいと思っています。 両親、ご先祖様はもちろん周りの人がいて自分が生かされているというありがたみを忘れずに勉強を続け、治療と癒しという枝を広げていきたいと思います!